バティックは、インドネシア発祥の伝統的なろうけつ染め技法であり、19世紀にオランダ人によってスリランカに伝えられました。この技法では、布に特定の模様で蝋を塗り、その後染色を行います。蝋が染料の浸透を防ぐため、塗られた部分には染料が染み込みません。

 

  • デザインの作成と転写:アルウィハーレ・ヘリテージ・センターでは、職人がエナ・デ・シルバのアーカイブからデザインを選び、生地に転写します。既存のデザインは、サイズや色の要件に合わせてサイズ変更や修正が行われ、転写紙を使って生地にトレースされます。

 

  • 蝋の塗布:溶かした蝋を、チャンティング(ペンのような道具)、刷毛、スタンプなどを使用して布に丁寧に塗布します。蝋は染められない部分を定義し、デザイン内の各色ごとにこの工程が繰り返されます。

    エナ・デ・シルバのバティックの特徴的な技法の一つに「トリプルワックス法」があります。これは、デザインの一貫性を保つために、表、裏、再度表に蝋を塗布する方法です。

 

  • 染色:蝋が冷えて固まった後、生地は染料に浸されます。蝋で覆われた部分は、生地本来の色がそのまま残ります。
  • 蝋の除去:目的の色が出たら、生地を煮たりアイロンをかけたりして蝋を取り除き、ろうけつ染めによる繊細な模様が現れます。

 

  • ニュアンス:デザインの複雑さや深みのある表現に応じて、生地は何度も蝋付け、染色、煮沸の工程を繰り返すことがあります。

アルウィハーレ・ヘリテージ・センターでは、この全ての工程が手作業によって行われています。